この記事では、2部構成シリーズの前編で説明したユースケースの続きをお届けします。今回の記事では、すぐに利益が得られ、メインストリームで広く認知される可能性が高いと思われる、皆さんが興味を持つであろうプロジェクトをいくつか紹介します。

SKALEネットワークとEthereumメインネットを組み合わせることで、Ethereumメインネットのセキュリティ規定と保証を維持しながら、スループットの向上、コミット時間の短縮、ガス代の削減を実現できます。


ユースケース #4 - コレクタブルゲーム


コレクタブルカードゲームは、ブロックチェーン技術を使う上では登場して当然のユースケースです。ゲーム空間で流通するコレクティブルカードは、現実社会では供給が限られているため価値があります。カードをデジタル化し、パブリック・メインネットでトークン化することで、この希少性を維持するだけでなく、デジタル化とトークン化により、新しい力と能力が付与されます。トークン化されたカードは、容易に検索可能な分散型台帳の中に存在するため、現実社会に存在するカードよりも可視性が高く、取引が容易です。これらの属性はすべて、ブロックチェーンベースのカードゲームを、非常に魅力的なものにしてくれます。

私たちは、ゲーム資産のトークン化を検討しているゲームや、革新的な収集可能なゲーミングカードのコンセプトに取り組んでいるゲームが、SKALEに興味を持ち、価値を見出していることに気付きました。彼らは、スケーラブルなEthereumベースの実行レイヤーの利点に加えて、Ethereum上の普遍的なトークン規格と透明性の高いスマートコントラクトの利点について理解しています。

- SKALE Labs グローバルソリューションエンジニアリング担当バイスプレジデント クリスティン・ペリー氏

SKALEネットワークを利用している開発者の中には、Ethereumベースのエンジェルバトルゲームを構築している開発者がいます。彼らのゲームでは、カードは新しい鎧を追加したり、新しい攻撃力を得たり、新しい戦略的な力を得るなどの新しい属性を得ることができます。これらの追加された力は、カードを他の人にとってより価値のあるものにし、トークンを介してその価値がカードに反映され、維持されます。

トークン化には欠点があり、すべてのトランザクションがメインネットにヒットしなければならない場合、長いコミット時間と継続的なトランザクション手数料の発生は、ゲームプレイを窮屈にし、ゲーム運営を非経済的な活動にしてしまいます。しかし、スケーラブルな実行レイヤーを使用することで、トランザクションの待ち時間とガス代の両方を削減することができます。SKALEネットワークを使用することでDappsは、EVMと互換性のある台帳が提供できる他の利点に加え、セキュリティと透明性を維持しながら、一秒未満のトランザクション時間とシームレスなゲームプレイを実現することができます。

他のユースケースと同様に、SKALEのインターチェーンメッセージングは、メインネットからSKALEネットワークへのカードの安全でセキュアな転送を可能にします。Ethereumメインネット上でトークンをロックし、SKALEネットワーク内でクローンを作成することで、トークンの所有者はカードを戦闘に使用したり、取引したり、贈与したり、販売したり、所有権を失うことなく他の許可されたゲームで操作することもできます。これらのアクションは、彼らがEthereumメインネット上で行なった場合よりもはるかに速く処理され、SKALE上ではるかに少ないコストで実行することができます。

ゲームプレイのどの時点でも、ユーザーはEthereumメインネット上でトークンの状態を更新するかどうかを決めることができます。レイヤー2を離れるべきイベントの例としては、アセットが他の所有者と取引されたり、ゲーム結果が表示されたり、バトルに勝利したり、カードにアクセサリーや機能が追加されたりする場合が考えられます。また、他のメインネットにとって価値があるイベントとしては、自動化されたアクションやコミュニティの投票による新しいカードの作成や複製が含まれるかもしれません。SKALEネットワークには、トークンの所有者がトークンをネットワークから離脱させるような行為を承認する機能が組み込まれています。このように、取引のファイナリティはなりすましや捏造から守られています。

要件リスト:ゲーム

Decentralization

Important

Transaction Throughput

Critical

Fast Finalization

Critical

Security

Important

Usability

Critical

Collusion Resistance

Nice to Have


Use Case #5 - Content Streaming
ユースケース #5 - コンテンツ・ストリーミング


ストリーミングメディアはブロックチェーンの素晴らしいユースケースであり、ブロックチェーンがなぜ重要なのかを示唆しています。なぜこれほどまでに適しているのかというと、現在のオーディオやビデオのストリーミングネットワークに対する中央集権型ソリューションへの不信感が高まっていることが挙げられます。この不信感は、国や機関、プロバイダーによる検閲の例が増えていることに加え、ストリーミング・プロバイダー側の選好主義や支払い操作にまで及んでいます。

分散型ソリューションは、スマートコントラクトが再生イベントを記録し、支払いを行うための透明なメカニズムとして機能するという点で、これらの問題の多くを解決してくれます。プロトコルを所有しているエンティティがいないという事実は、検閲への抵抗を助長するだけです。また、分散型ソリューションは、ストリーミング・プロバイダーを取引から外すことができるため、購読料が安くなり、コンテンツ所有者への支払いが増えることになります。

Ethereumベースの実行レイヤーを採用することで、分散型ストリーミングアプリのパフォーマンスに大きな違いをもたらすことができます。分散型ストリーミングを利用するユーザーが増加する可能性があるため、ストリーミングアプリは最初からスケーリングできるように構築する必要があります。ひとつのSKALEチェーン上で1秒間に最大1,000件のトランザクションと1秒未満のコミット時間を実現することで、これらのスループットに関する懸念事項の多くに対応することができます。

- SKALE Labs グローバルソリューションエンジニアリング担当バイスプレジデント クリスティン・ペリー氏

SKALEネットワークを構築しているチームのひとつは、ブロックチェーンが検閲に強いという性質を利用して、特定のカテゴリーやスタイルに対する制限を回避し、音楽に世界のどこからでもでアクセスできるようにしています。中央集権型ソリューションと同様に、リスナーは曲を再生したり、プレイリストに追加したり、共有したり、「いいね!」したり、アーティストをフォローしたりすることができます。アーティストは自分のページを作成し、音楽をアップロードし、自分の音楽を再生する人から直接支払いを受けることができます - すべてはEthereumネットワーク上で、弾力性のあるSKALEチェーン内で管理されています。

曲を選び、音楽を再生して、アーティストに支払いをするという、このアプリが可能なアクションやイベントは、一見すると比較的単純なものに感じられるかもしれませんが、非常に複雑なアーキテクチャで構成されていいます。複数のサイドチェーンを使用することで、アプリケーションの論理的な機能を分離することで、これらの問題に対処することができます。メインの再生サービスとストリーミングの支払い計算を分離することができ、ソーシャルインタラクションのコンポーネントから分離することができます。

各チェーンは、特定のマイクロサービスのニーズに合わせ、適切なサイズ、ストレージ、パフォーマンス特性に調整することができます。メディアの再生は特定のチェーン構成で処理でき、ソーシャルイベントは別のタイプの構成で処理できます。機能によっては、より高速で安全な検証が必要な場合もありますが、他のイベントはそれほど重要ではないため、トランザクションの確定時間が長くなる場合もあります。ストレージも考慮すべき点であり、その特定の機能のニーズを満たすために各チェーン内で最適化することができます。

複数のサイドチェーンを使用するもうひとつの利点は、開発のスピード向上です。別々のサイドチェーンで作業するサブチームに作業をモジュール化することで、チームはお互いに独立して作業することができます。ワークフローが重複する状況では、SKALEのチェーン間メッセージングを利用して、チェーンをまたいでEthereumメインネットとの間でイベントをシームレスに移動させることができます。このようなタイプのアプリを開発する際は、分散型セキュリティと実行レイヤーを使用して行われますが、個別のマイクロサービスがセットのように感じられることでしょう。

要件リスト:ストリーミングメディア

Decentralization

Important

Transaction Throughput

Critical

Fast Finalization

Important

Security

Important

Usability

Important

Collusion Resistance

Nice to Have


ユースケース #6 - データ管理とプライバシー

データ管理とプライバシーは、それ自体はアプリケーションではなく、むしろ分散型アプリが利用するための基本的なサービスという位置づけです。分散化されたデータ保管とトラストレスなトランザクションは、中央集権型コンピューティングとの重要な差別化要因となっています。ブロックチェーンに懐疑的な人々から寄せられる反論の一つは、ブロックチェーンはただのデータベースだというものです。L1チェーンに保存されるデータは限定的で、例外的なものに見えるかも知れませんが、そこに到達するためのプロセスや保存された結果を追求するために提供される機能はより複雑で、データセキュリティとデータプライバシーを保護するために追加の対策が必要になります。

トラストレス・コンピューティングは、(最終的な結果がどこに保存されているかに関係なく)コンピュータ演算結果の忠実度(補足:データの再現度が高いこと)がはるかに高く、検閲に対する耐性がはるかに高いことを意味します。上記のストリーミング・メディアの例は、その利点を明確にしています。トラストレスなストリーミング・メディアサービスは、再生の記録やロイヤリティーの支払いの計算において、どちらが優れてるか、劣っているという評価の議論や、強引に取引が実施される可能性を減らすことができます。Web3.0がデータの保管とプライバシーにどのようなソリューションを提供するかを検討すると、相似点があることがわかると思います。

自己主権的アイデンティティとデータ所有権を取り巻く状況の変化は、デジタルアイデンティティやデータ保護の分野ではごく当たり前のことを扱っているため、驚くに値しません。GDPRは、企業や人々が個人データとその派生データを扱う方法を大きく変える発端になりました。これらの派生データには、関心、興味、習慣、嗜好、推奨事項、その他デジタル世界での人々の行動から得られる高次のデータが含まれます。

SKALEネットワークに取り組んでいる企業のひとつは、信頼性の高いデータ保管とプライバシーのためのプロトコルを構築しています。このプロトコルは2つのマイクロサービスを特徴としています。ひとつはセッションとデータトランスポートの分散管理、もうひとつはアクセス権管理のためのものです。高速、安全、経済的に実行可能なプロトコルを実装するため、SKALEネットワークの機能をフルに活用しています。高いスループット、迅速なファイナリティの実現、およびガス代無料という条件が揃わなければ、この種のインフラストラクチャープロトコルは現実不可能です。SKALE を実行層として使用することで、SKALEプロトコルはアプリケーションを繋ぐレイヤーとして機能することができますし、他のプロトコルを使用して分散型ネットワークのセキュリティとデータ管理機能を構築するためにも使用されます。

他のプロトコルが十二分に活用している、SKALEに備わる機能のひとつは、ネットワークネイティブなデジタルキーを、大きな遅延を生じさせることなく生成できる機能です。インテルSGXエンクレーブ(データやプロトコルを安全に管理するためにパソコンやサーバーに備わっている、特殊なデータ格納エリア)を介して電力を供給する信頼された実行環境をネットワークで使用することは、プロトコルに不可欠な高速で安全なデジタルキー操作を提供するための基本となります。また、SKALEへの高速なポートタイム(スマートコントラクトの変更がほとんどない)も、SKALE以外のプロトコルには重要な属性として注目されているようです。

プロトコルは進化の途上ですが、高いパフォーマンスと安全性を持つ実行レイヤーが提供するメリットは無視できません。SKALE ネットワークのような実行レイヤーがなければ、このプロトコルは研究段階に留まらなければならなかったでしょう。SKALEがあれば、Web3 のすべての dapp に組み込むことができ、Web2 のすべてのアプリにも組み込むことができます。

要件リスト:データ管理とプライバシー

Decentralization

Important

Transaction Throughput

Critical

Fast Finalization

Important

Security

Critical

Usability

Nice to Have

Collusion Resistance

Important

まとめ

前編と後編(この記事)で紹介したユースケースは、開発者がEthereumメインネットに密接に接続されたEVM互換の実行レイヤーにアクセスすることで、どのようなことが可能になるかの例です。高いスループット、秒単位のコミット時間、ガス代無料は、分散コンピューティングのゲームチェンジャーです。

この記事で紹介した利点に加え、紹介しきれなかった多くの利点により、EthereumメインネットとSKALEネットワークは開発者にとって魅力的な選択肢となります。この2つのネットワークが相互補完し合うことで、Web3.0とデジタルなコミュニケーションの未来に向けて、多くの人々が抱いているビジョンを実現するために役立つ新しいアプリケーション、プロトコル、サービスを提供することが可能にナルでしょう。


この記事は2回シリーズの後編です。Web3.0ですぐに利益を得て、広く普及する可能性が高いと思われる興味深いプロジェクトを紹介しました。シリーズの前半は、こちらからご覧いただけます。

参照先:https://skale.network/blog/use-cases-for-execution-layer-part-2-of-2/